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駄の日常…毎日の日記。
駄らだら、たからづか。…宝塚ファンの呟き

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だだ

Author:だだ
方向音痴で胃腸虚弱で臆病者の旅行好き

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車椅子とエジプトへ(1)
 「いつかエジプトへ行こうね」
と言い出したのは、一体いつだったか。
思い出せないほど前のことだ。
7つ年下の妹・U子は『世界・ふしぎ発見!』という番組が大好きで、
毎週録画するくらい大好きで、
その番組に出てくる歴史や古代遺跡、世界遺産に魅せられていた。
中でもエジプトは特別な憧れの地だった。
砂漠にそびえる巨大なピラミッド。
ツタンカーメンの輝くマスク。
ミステリアスで悠久の歴史が横たわる国。
番組を見ながら
 「いつかエジプトへ行こうね!」
と私達は話していたのだが、それがいつしか合言葉になり、夢になり、約束になったのだ。

だが、この夢を果たすにはひとつ問題がある。
障害がある。
U子は身体にも知的にも重度の障害をもっているのだ。

脳性麻痺による先天的な障害。
移動から食事から排泄から、生活すべてに介助が必要で、
・・・U子が自力でできて得意なことは、笑うことと歌うこと。
そんな具合だから
 「ピラミッドには車椅子用トイレなんて無いだろうな」
と、エジプトへ行くにはちょっとした勇気が必要だったわけだ。

だが私達はエジプトへ行くことに決めた。
いろいろな理由から
 「この冬しかない」
と決めたのだ。
この冬。
2007年1月のことだ。

エジプト(2007年) | 【2007-02-11(Sun) 02:51:52】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
車椅子とエジプトへ(2)
ちょっぴり勇気をだしてエジプト行きを決めたものの、さすがに個人で行くほどの豪傑ではない。
障害者専門の旅行会社にプランを立ててもらった。
個人でツアーを組んだというべきか。
ホテルや食事はもちろんのこと、日本語ガイドや移動のバスを含む全部をお願いすることにした。

当初はU子の介助をしてもらえるヘルパーさんに同行してもらうつもりだったのだが、
いろいろあって結局は家族のみで行くことになった。
メンバーは、私とU子と母のほかに、
もう一人の妹・R子と、その娘の椿も加わって、
「女5人の気まま旅!」

気ままではあるが身体は重い。
U子の障害が重いことは最初に述べたけれど、母も歩くには杖が必用な身体。
そして姪っ子の椿は、まだ、4才。

4才児


・・・4才児を連れてエジプトか。
ちょっと、いやかなり、悩んだ。

だがこの椿は4才にしてすでにツワモノなのだ。
父はオーストラリア人。
日本生まれの台湾育ち。
日本語・英語・中国語、なんでもござれの国際人。
渡航経験は私よりずーっと抱負。
離着陸の風景なんて見飽きているらしく、個人用モニターを器用に操作してディズニー番組を見たおしていた。

一方U子はといえば。
飛行機の乗り降りだけで大変である。
カイロやドバイの空港職員はいかにも障害者慣れしていない様子で、
・・・大騒動。

カイロもドバイでもタラップを昇って飛行機に乗り込む形だった。
では歩けない人はどうするのか?
スチュワードが
 「(日本語訳)しばし待たれよ」
と言うので、待っていたら、
荷台がリフトのように上下するトラックがお迎えにきてくれた。
なんだか貨物扱いだなと思ったものの、
トラックの荷台から見る夜明けはなかなか素敵だった。

空港で迎えた夜明け


トラックを降りると入国審査場へと向かう、こんどは正真正銘の貨物用エレベーターに乗らされた。

U子本人も大騒動だった。
長時間のフライトで足がむくむからフィットネス体操でコリをほぐす、なんて芸当はできない。
体が辛くてなかなか眠ることもできず、もう、・・・大騒動。


エジプト(2007年) | 【2007-02-11(Sun) 02:55:38】 | Trackback:(0) | Comments:(2)
車椅子でエジプトへ(3) 大人数
大騒動の末にたどりついたエジプト。
出迎えてくれたのは

・スルーガイドのFさん(日本人女性)。
・カイロの現地ガイド
・現地アシスタント
・アシスタントのアシスタント(使途不明)
・空港アシスタント
・バスドライバー

総勢6人!
客より多い!
いつでも最低4人のスタッフが同行してくれた。

ちなみに旅行会社に組んでもらった旅程だが。
障害者と4才児のためのプランである。
一日の半分が「お昼寝」に当てられていた。

 「午前:○○観光
  レストランにて昼食
  午後:フリータイム
  ホテルにて夕食」

というパターン。
普通では考えられないほどゆったりした、ムダの多い日程にみえるが、これくらいでないと身体がもたない。


エジプト(2007年) | 【2007-02-11(Sun) 21:48:10】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
車椅子でエジプトへ(4) 1日目
エジプトに着いたのは午後1時くらいだったが、超ゆったりプラン故、
その日もあとはなんの観光予定もなく、日程表には
 「ホテルにてごゆっくりおくつろぎ下さい」
と書かれているのみ。
ホテルでごゆっくりおくつろぎ。
試みてはみたけれど・・・じっとはしていられなかった。
 「リゾットが食べたい!」

泊まっていたのはカイロのラムセス・ヒルトン。
日本人ツアーの常宿である。
すぐ隣にはヒルトンセンターというショッピングモールがあり、
そこのイタリアンレストランのリゾットが絶品であることを、私は2年前に来て知っていた。
あのリゾットをもう一度食べたい!

家族みんなを引き連れてぞろぞろ歩いて行ってみた。
 「何階?」
 「さっきチラシに2階って書いてあったよ」
エレベーターで2階へ昇る。
だがそこに目指すレストランはなかった。
 「3階の間違いだったかな?」
昇ってみた。
3階にもなかった。
 「じゃあ4階は?」
 「5階は?」
 「6階は?」
全ての階を調べ、念のため1階に戻って確認したが、それでも見つからない。
 「つぶれたんじゃないの?」
 「そんなはずないよ。チラシ配ってたんだよ?」
 「もう一度2階を見てみようか」
2階に戻ってみた。
そしたら。
 「さっきと違う!」
見たことのないフロアが現れた!
一体どういうことだろう?
さっきと同じエレベーター、さっきと同じ2階のはず。
なのに。
エレベーターを降りるとすぐそこにイタリアンレストランが!
さっきは絶対に無かったぞ、なぜだ!?

この謎は今も解けていない。
狐に騙されたような気分だったが、レストランは現実にそこにあって、リゾットは相変らず激ウマだった。
これからエジプトへ向かう方、ラムセス・ヒルトンにお泊りの際は是非、謎のエレベーターとリゾットをお試しあれ。

エジプト(2007年) | 【2007-02-12(Mon) 21:48:14】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
車椅子とエジプトへ(5) ピラミッドへ!
エジプト2日目。
いよいよ観光が始まった。
夢のピラミッドとご対面である。

ピラミッドの待つギザ台地まで約13キロ。
カイロの道路事情はとんでもなくクレイジーだが、
私達のマイクロバスは運よく渋滞にもはまらず順調に走っていった。

そうして走るうちに、バスの左の窓から・・・見えたのだ。
青く霞んだ三角の影が。
 「うわあ、見えた!」
母が声をあげる。
 「どこどこ?」
R子が首をのばす。
現代的なビルのならぶ向こう、汚い窓と四角い屋根のむこうに、ピラミッドの先っちょが覗いていた。
本当はまだ顔を見せたくないのだけれど、あまりにも巨きいので頭だけ出てしまったかのように。

最後の角を曲がると目の前に。
すぐそこに。
クフ王のピラミッドがそびえていた。
私は隣に座っていた椿にこう教えたことを覚えている。
 「見てごらん。あのお山がピラミッドだよ」
まさに『山』と呼ぶのにふさわしい大きさだ。
天空を突き刺し、真昼の太陽に届くくらいの大きさだ。
これを人間がつくったのだ。
古代の人間がつくったのだ。

チケット売り場を通りぬけ、バスから降りて、いよいよピラミッドに近づいていく。
・・・なのだが。
予期していたとおり。
覚悟していたとおり。
地面はガタガタ。
車椅子、ガタガタ。
ギザのピラミッドは固い岩盤の上に建てられている。
そのおかげで何千年も保たれているのだが、逆に言えば、この黒い岩肌を数十メートル走破しなければ真下までたどりつけない。
歩くぶんには平坦な岩場でも、車椅子には溝や段差だらけのとんでもない悪路なのだ。
ギザギザのギザ台地。
 「どうします? ここから見るだけにしますか?」
ガイドのFさんに訊かれた。
私はもちろん即答した。
 「いや、頑張って真下まで行きます!
  U子、ピラミッドに触りたいよね?」

U子はずっとうつむいていた。
(顔をまっすぐ上げることがちょっとした苦労なのだ)
車窓からの風景など何も見えなかったらしい。
バスを降りてはじめてピラミッドに対面したが、感情を表す余裕はまだなかった。
ただ、ガチガチに緊張していた。
興奮すると体中が強張る。
エジプトにきたこと、ピラミッドを見られること、エジプト人のドライバーさんに抱っこされてバスを乗り降りすること。
聞き慣れない音、言葉、匂い。
全てのこと興奮し、緊張し、いっぱいいっぱいだったらしい。
それでも私が
 「ピラミッドの石に触りたいよね?」
と問いかけたときは、
 「うん」
小さい声で返事をした。



エジプト(2007年) | 【2007-02-13(Tue) 21:00:00】 | Trackback:(0) | Comments:(0)
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