旅は楽しいだけじゃない。
不愉快なこともあるわけで。
騙されたり襲われたり追いかけられたりするわけだけど、
それよりも尚、不愉快だった旅人の話をひとつ。
ある時、アメリカ人のバックパッカー(女性)と話していたら、
こう訊かれた。
「どうして日本の男は小さい女の子が好きなのかしら?」
それまで楽しくビールを飲んでいたのに。
私は思わず絶句した。
なぜそれを私に訊くのか?
なぜ、私に?
彼女が日本人をあまり良く思っていないことは感づいていた、
だけどせめて男に訊けよ!
・・・仕方が無いから、こう答えた。
「どうしてアメリカの男は、男が好きなの?」
それで話は終わった。
不愉快なこともあるわけで。
騙されたり襲われたり追いかけられたりするわけだけど、
それよりも尚、不愉快だった旅人の話をひとつ。
ある時、アメリカ人のバックパッカー(女性)と話していたら、
こう訊かれた。
「どうして日本の男は小さい女の子が好きなのかしら?」
それまで楽しくビールを飲んでいたのに。
私は思わず絶句した。
なぜそれを私に訊くのか?
なぜ、私に?
彼女が日本人をあまり良く思っていないことは感づいていた、
だけどせめて男に訊けよ!
・・・仕方が無いから、こう答えた。
「どうしてアメリカの男は、男が好きなの?」
それで話は終わった。
飛行機の待ち時間。
これがどうにも苦手である。
行くでもなく。
帰るでもなく。
此方でもなく。
彼方でもない。
空港の待合室という、中途半端なあの空間。
そのうえ飛行機というやつは遅れるものと決まっている。
印象的だったのがケニアからの帰りのフライト。
飛行機が遅れ、いつ飛ぶのか分らないと言われた。
あと何時間と分っていればまだ過ごしようもあるものの、
いつ飛ぶか分らないからそこでじっと待っていろと言う。
時折、思い出したようにアナウンスが流れる。
「エア・インディアはまだ着ません」
「まだなんです」
「まだです」
「まだです」
「まだ」
「まだ」
まだまだまだ、で結局、9時間待たされた。
9時間。
最初は食べたり飲んだりしていたのだが、
9時間ただ座っているとなると話題も尽き果て、
しまいには喋るのも億劫になって、
みんな黙ってただぼんやりと座っていた。
退屈で死ぬかと思った。
9時間後にようやく離陸したとき、
さすがのエア・インディアの機長も謝った。
「すんまへん」
・・・それだけかー!
これがどうにも苦手である。
行くでもなく。
帰るでもなく。
此方でもなく。
彼方でもない。
空港の待合室という、中途半端なあの空間。
そのうえ飛行機というやつは遅れるものと決まっている。
印象的だったのがケニアからの帰りのフライト。
飛行機が遅れ、いつ飛ぶのか分らないと言われた。
あと何時間と分っていればまだ過ごしようもあるものの、
いつ飛ぶか分らないからそこでじっと待っていろと言う。
時折、思い出したようにアナウンスが流れる。
「エア・インディアはまだ着ません」
「まだなんです」
「まだです」
「まだです」
「まだ」
「まだ」
まだまだまだ、で結局、9時間待たされた。
9時間。
最初は食べたり飲んだりしていたのだが、
9時間ただ座っているとなると話題も尽き果て、
しまいには喋るのも億劫になって、
みんな黙ってただぼんやりと座っていた。
退屈で死ぬかと思った。
9時間後にようやく離陸したとき、
さすがのエア・インディアの機長も謝った。
「すんまへん」
・・・それだけかー!
金持ちで。
NOと言わない。
ニカニカ笑って誤魔化すだけだ。
ちょっと脅せば金を出す。
それが日本人。
誰がそんなこと決めてん!
観光地などで、ナメた態度で声をかけられるたびに腹が立つ。
私はものすごく日本人顔で、日本人体型で、
スキだらけでボーッとしてて、
つまり思いっきり日本人らしい旅行者だろうと思う。
だけども。
毎度毎度あからさまに「あ、カモきた」って顔されるのにはたいがい腹が立つのだ!
バンコクの王宮近くを通りかかっただけで、複数の詐欺師から次々と
「ワット・ポーは今日は休みだよ。
代わりに格安の宝石店を紹介してあげよう」
と声をかけられた時にはさすがにウンザリして
「あんたらええかげんにせえや!面倒くさいねん!」
と説教していた。
きっとこうやって構うからいけないのだろう。
ちょっと凄いなと思ったのはカルカッタのカーリー寺院。
「案内してあげよう」
オッサンが勝手に近づいてきて勝手にガイドして
「さあお布施を出せ!」
って言う。
インドに限らずどこにでもそういう奴はいるもんだが、
カーリー寺はとくに性質が悪いんだと後で聞いた。
たしか白髪頭で「オレ様ちょっと他の人とは違うのよ」的な偉そうな感じのオッサンだった。
最初は穏やかな口調で
「神様にお供えするお金ですよ。
あなたのお国でもお賽銭はだすでしょう」
みたいなことを言うのだが、それにしても法外な金額だ。
「私はこの正月、日本の有名な寺を詣でたが、賽銭は2円しか払わなかったぞ! それが日本人というものだ!」
と返したら
「おまえらケチだな!」
と言われた。
余計なお世話である。
話が進まないとみて、オッサンはおもむろにノートを取り出した。
そこに書かれたサインと金額を見せ
「ご覧なさい。外国人は皆さん払っていますよ」
というお馴染みの作戦だ。
が、額がデカい。
何千何万も寄付している外国人たち。
アメリカドイツ韓国、そして多くの日本人。
これも詐欺の一つなの?
それとも本当に払っちゃったんだろうか?
シャレにならない額なのだが。
私がどうしても出さないでいると、
図体のデカい用心棒風の男が2人3人と寄ってきて、
あれよあれよと言ううちに半ば力づくで小部屋に連れ込まれてしまったではないか。
なんてものものしい。
女一人に4人がかりですか。
・・・って、お前ら強盗か〜!
さすがに閉じ込められたら怖いので、まともに交渉するのはやめて、日本語で「払わない」だけ言い続けて靴履いて出ていった。
あまりに腹が立ったので、ヤギの生贄とか見たもの全部飛んでいった。
何しに行ったか分らないじゃないか、バカヤロー!
NOと言わない。
ニカニカ笑って誤魔化すだけだ。
ちょっと脅せば金を出す。
それが日本人。
誰がそんなこと決めてん!
観光地などで、ナメた態度で声をかけられるたびに腹が立つ。
私はものすごく日本人顔で、日本人体型で、
スキだらけでボーッとしてて、
つまり思いっきり日本人らしい旅行者だろうと思う。
だけども。
毎度毎度あからさまに「あ、カモきた」って顔されるのにはたいがい腹が立つのだ!
バンコクの王宮近くを通りかかっただけで、複数の詐欺師から次々と
「ワット・ポーは今日は休みだよ。
代わりに格安の宝石店を紹介してあげよう」
と声をかけられた時にはさすがにウンザリして
「あんたらええかげんにせえや!面倒くさいねん!」
と説教していた。
きっとこうやって構うからいけないのだろう。
ちょっと凄いなと思ったのはカルカッタのカーリー寺院。
「案内してあげよう」
オッサンが勝手に近づいてきて勝手にガイドして
「さあお布施を出せ!」
って言う。
インドに限らずどこにでもそういう奴はいるもんだが、
カーリー寺はとくに性質が悪いんだと後で聞いた。
たしか白髪頭で「オレ様ちょっと他の人とは違うのよ」的な偉そうな感じのオッサンだった。
最初は穏やかな口調で
「神様にお供えするお金ですよ。
あなたのお国でもお賽銭はだすでしょう」
みたいなことを言うのだが、それにしても法外な金額だ。
「私はこの正月、日本の有名な寺を詣でたが、賽銭は2円しか払わなかったぞ! それが日本人というものだ!」
と返したら
「おまえらケチだな!」
と言われた。
余計なお世話である。
話が進まないとみて、オッサンはおもむろにノートを取り出した。
そこに書かれたサインと金額を見せ
「ご覧なさい。外国人は皆さん払っていますよ」
というお馴染みの作戦だ。
が、額がデカい。
何千何万も寄付している外国人たち。
アメリカドイツ韓国、そして多くの日本人。
これも詐欺の一つなの?
それとも本当に払っちゃったんだろうか?
シャレにならない額なのだが。
私がどうしても出さないでいると、
図体のデカい用心棒風の男が2人3人と寄ってきて、
あれよあれよと言ううちに半ば力づくで小部屋に連れ込まれてしまったではないか。
なんてものものしい。
女一人に4人がかりですか。
・・・って、お前ら強盗か〜!
さすがに閉じ込められたら怖いので、まともに交渉するのはやめて、日本語で「払わない」だけ言い続けて靴履いて出ていった。
あまりに腹が立ったので、ヤギの生贄とか見たもの全部飛んでいった。
何しに行ったか分らないじゃないか、バカヤロー!
旅行好きの人からよく、
「現地の人に間違えられた」
という話を聞く。
「住んでる人と間違えられて、道をきかれちゃった」
とか。
私にはそれがない。
どこにいても、どんな格好をしていても、100%日本人らしい。
中国人や韓国人に間違えられることすらない。
どこへ行っても日本人に見えるということは、
どこへ行ってもカモられるということだ。
「チョットマッテ!見ルダケ、タダ!」
の物売りとか、
「イイトコロへ案内シヨウ!」
の詐欺師とか、
「愛シテル! ケッコンシヨー!」
ナンパ兄ちゃんとか。
イスタンブールの観光地、ブルーモスクを通りかかった時などは
そういう連中がうるさくて歩けないくらいだったので、
「ジャポンヤ! ジャポンヤ! コンニチハ!」
と声をかけられた時、私はこう返してみた。
「I'm not Japanese ! I'm a Korean !(日本人じゃない、韓国人だ)」
男達は一瞬ひるんだが、
「おう、コリアンだったか!アンニョンハセヨ!」
懲りずにしつこく追いかけてくる。
失敗である。
韓国人ではダメか。
私は作戦を練り直し、次の男が声をかけてきた時には
こう答えた。
「I'm a Mongolian !(モンゴル人だぞ)」
・・・男達は一気に沈黙した。
ちょっと勝った気がした。
顔、おんなじやからええやん、モンゴル人でも。
私が日本人に見られなかったのは唯一、インドだけである。
どういうわけかインドでは、必ず韓国人と間違えられた。
韓国人のツアー客までもが、私を見たとたんに
「アンニョンハセヨー!」
と、満面の笑みを湛えて寄ってくる。
気圧されて思わず
「アンニョンハセヨ」
と返したら、その人たち、顔を輝かせてものすごい勢いで喋り始めた。
旅先で同郷の旅人を見つけたのがよほど嬉しかったのだろう。
ちょっと悪いことをした。
「現地の人に間違えられた」
という話を聞く。
「住んでる人と間違えられて、道をきかれちゃった」
とか。
私にはそれがない。
どこにいても、どんな格好をしていても、100%日本人らしい。
中国人や韓国人に間違えられることすらない。
どこへ行っても日本人に見えるということは、
どこへ行ってもカモられるということだ。
「チョットマッテ!見ルダケ、タダ!」
の物売りとか、
「イイトコロへ案内シヨウ!」
の詐欺師とか、
「愛シテル! ケッコンシヨー!」
ナンパ兄ちゃんとか。
イスタンブールの観光地、ブルーモスクを通りかかった時などは
そういう連中がうるさくて歩けないくらいだったので、
「ジャポンヤ! ジャポンヤ! コンニチハ!」
と声をかけられた時、私はこう返してみた。
「I'm not Japanese ! I'm a Korean !(日本人じゃない、韓国人だ)」
男達は一瞬ひるんだが、
「おう、コリアンだったか!アンニョンハセヨ!」
懲りずにしつこく追いかけてくる。
失敗である。
韓国人ではダメか。
私は作戦を練り直し、次の男が声をかけてきた時には
こう答えた。
「I'm a Mongolian !(モンゴル人だぞ)」
・・・男達は一気に沈黙した。
ちょっと勝った気がした。
顔、おんなじやからええやん、モンゴル人でも。
私が日本人に見られなかったのは唯一、インドだけである。
どういうわけかインドでは、必ず韓国人と間違えられた。
韓国人のツアー客までもが、私を見たとたんに
「アンニョンハセヨー!」
と、満面の笑みを湛えて寄ってくる。
気圧されて思わず
「アンニョンハセヨ」
と返したら、その人たち、顔を輝かせてものすごい勢いで喋り始めた。
旅先で同郷の旅人を見つけたのがよほど嬉しかったのだろう。
ちょっと悪いことをした。


