上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
|
【--------(--) --:--:--】
|
Trackback(-) |
Comments(-)
ベトナムから日本に帰るという前日の夜。
私はホーチミンのホテルで、ひとりで騒いでいた。
「無い。
無い。
EDカードが無い!」
EDカード。
出入国カード。
氏名とかパスポート番号を書いて入国審査場で提出する用紙。
たいてい2枚に別れていて、
半分は入国のときに、
もう半分は出国のときに必用となる。
出国のほうの用紙は帰る時までちゃんと持ってなくちゃいけない。
それを失くしてしまったのだ。
ああ、やっちゃったー。
出国カードは大事なものだ。
国によってはパスポートの次くらい大切だと言われることもある。
私は今までいっぺんも失くしたことがなかったし、
失くした人の話も聞いたことがなかった。
だから慌てた。
とりあえずヤバいだろうと思った。
しかし、どうヤバいのであろうか。
暇だったのでいろいろと想像をめぐらせてみた。
****以下妄想***********************************
≪罰金編≫
空港の出国審査にて。
無愛想にパスポートを調べるイミグレ職員。
「出国カードは!?」
怖い声で問いただす。
私が消え入りそうな声で、
「失くしたんです」
と答えると、職員は怖い顔をして立ち上がり、
「ちょっと来なさい」
私はただちにべつの部屋へと連行される。
事務室のような部屋にはちょっと偉そうなオジサンがいて、
用紙をとりだしながら、こんな指示をだすだろう。
「はい、ここに国籍とパスポート番号書いて。
はい、こことここにサインして。
はい、罰金は米ドルで500ね」
えええええ!
500ドルはさすがに高いやろ。
≪ワイロ編≫
「出国カードを失くしました」
と申請すると、イミグレの職員は眉をひそめて
「・・・」
小声で何かを呟くが、聞き取れない。
「え?」
「・・・・」
「え、なんて?」
「・・・・・・・・50ドルでまけといてやるよ」
チッ!
舌打ちしながら50ドル払う。
こっちのほうがありそうな話だ。
≪国外追放編≫
空港へたどり着くまでにバレたらどうなるだろう?
ウズベキスタンなどは警察のチェックが厳しくて、
宿に泊まった証明書(レギストラーツェ)まで調べられたものだ。
そんな感じで出国カードが無いことが発覚した場合。
警官 「おい、出国カードは?」
私 「失くしました」
警官 「ふざけるんじゃない!
自分が何を言ってるのかわかっているのか」
私 「でも失くしたんです」
警官 「なんだと!上官と連絡をとるから、ちょっとそこで待っていろ」
警官がワラワラ集まってきて、談義がなされる。
やがて上官が告げる。
警官 「法律によれば、出国カードを持たない者は違法移民とみなされる。
君は国外退去を命じられ、即刻、日本へ強制送還される」
ええー。
旅程、まだあと3日も残ってるのにー。
****妄想おわり***********************************
想像だけで楽しんでいても仕方が無い。
とりあえず空港へ行くのみである。
さて、どんな運命が待っているだろう!?
・・・・・どんな運命でもなかった。
空港のチェックインカウンターで、
「出国カードを失くしたんですけど」
と申し出たら
「じゃあ新しいの書いて」
ピラッと1枚、新しい用紙を渡されたのであった。
これが出国審査上でならややこしいことを言われたかもしれないけど。
とりあえずベトナムでは何もお咎めナシだった。
ほっとしたような。
気の抜けたような。
私はホーチミンのホテルで、ひとりで騒いでいた。
「無い。
無い。
EDカードが無い!」
EDカード。
出入国カード。
氏名とかパスポート番号を書いて入国審査場で提出する用紙。
たいてい2枚に別れていて、
半分は入国のときに、
もう半分は出国のときに必用となる。
出国のほうの用紙は帰る時までちゃんと持ってなくちゃいけない。
それを失くしてしまったのだ。
ああ、やっちゃったー。
出国カードは大事なものだ。
国によってはパスポートの次くらい大切だと言われることもある。
私は今までいっぺんも失くしたことがなかったし、
失くした人の話も聞いたことがなかった。
だから慌てた。
とりあえずヤバいだろうと思った。
しかし、どうヤバいのであろうか。
暇だったのでいろいろと想像をめぐらせてみた。
****以下妄想***********************************
≪罰金編≫
空港の出国審査にて。
無愛想にパスポートを調べるイミグレ職員。
「出国カードは!?」
怖い声で問いただす。
私が消え入りそうな声で、
「失くしたんです」
と答えると、職員は怖い顔をして立ち上がり、
「ちょっと来なさい」
私はただちにべつの部屋へと連行される。
事務室のような部屋にはちょっと偉そうなオジサンがいて、
用紙をとりだしながら、こんな指示をだすだろう。
「はい、ここに国籍とパスポート番号書いて。
はい、こことここにサインして。
はい、罰金は米ドルで500ね」
えええええ!
500ドルはさすがに高いやろ。
≪ワイロ編≫
「出国カードを失くしました」
と申請すると、イミグレの職員は眉をひそめて
「・・・」
小声で何かを呟くが、聞き取れない。
「え?」
「・・・・」
「え、なんて?」
「・・・・・・・・50ドルでまけといてやるよ」
チッ!
舌打ちしながら50ドル払う。
こっちのほうがありそうな話だ。
≪国外追放編≫
空港へたどり着くまでにバレたらどうなるだろう?
ウズベキスタンなどは警察のチェックが厳しくて、
宿に泊まった証明書(レギストラーツェ)まで調べられたものだ。
そんな感じで出国カードが無いことが発覚した場合。
警官 「おい、出国カードは?」
私 「失くしました」
警官 「ふざけるんじゃない!
自分が何を言ってるのかわかっているのか」
私 「でも失くしたんです」
警官 「なんだと!上官と連絡をとるから、ちょっとそこで待っていろ」
警官がワラワラ集まってきて、談義がなされる。
やがて上官が告げる。
警官 「法律によれば、出国カードを持たない者は違法移民とみなされる。
君は国外退去を命じられ、即刻、日本へ強制送還される」
ええー。
旅程、まだあと3日も残ってるのにー。
****妄想おわり***********************************
想像だけで楽しんでいても仕方が無い。
とりあえず空港へ行くのみである。
さて、どんな運命が待っているだろう!?
・・・・・どんな運命でもなかった。
空港のチェックインカウンターで、
「出国カードを失くしたんですけど」
と申し出たら
「じゃあ新しいの書いて」
ピラッと1枚、新しい用紙を渡されたのであった。
これが出国審査上でならややこしいことを言われたかもしれないけど。
とりあえずベトナムでは何もお咎めナシだった。
ほっとしたような。
気の抜けたような。
スポンサーサイト
1日遊んでたくさん食べて。
今夜はビールも飲んじゃった。
宿へ戻るまえにちょっとだけメールをと、
ネットカフェへつづく階段をのぼっていったら。
踊り場に、白い猫がいました。
通せんぼしてました。
「猫さん猫さん。そこ、通してよ」
「・・・・・・」
無視されました。
「ちょっとどいてよ。踏んじゃうよう」
「・・・・・・」
明らかに無視されました。
私のほうを見ようともせず、毛皮の掃除に余念がありません。
そんな私たちを見ていたのか、向こうのほうからおばちゃんが、
「○×■☆!」
ベトナム語で一声、猫に呼びかけました。
すると猫は重たい腰をあげ、しぶしぶ降りていったのです。
やっぱり日本語は通じないのかな。
それとも、ゴハンだよ! って言われたのかな?

↓ランキング参加中です。気が向いたらクリックしてやってください。
今夜はビールも飲んじゃった。
宿へ戻るまえにちょっとだけメールをと、
ネットカフェへつづく階段をのぼっていったら。
踊り場に、白い猫がいました。
通せんぼしてました。
「猫さん猫さん。そこ、通してよ」
「・・・・・・」
無視されました。
「ちょっとどいてよ。踏んじゃうよう」
「・・・・・・」
明らかに無視されました。
私のほうを見ようともせず、毛皮の掃除に余念がありません。
そんな私たちを見ていたのか、向こうのほうからおばちゃんが、
「○×■☆!」
ベトナム語で一声、猫に呼びかけました。
すると猫は重たい腰をあげ、しぶしぶ降りていったのです。
やっぱり日本語は通じないのかな。
それとも、ゴハンだよ! って言われたのかな?

↓ランキング参加中です。気が向いたらクリックしてやってください。

ベトナムでも様々な出会いに恵まれました。
レディファーストで、フエで出会った白衣の天使からご紹介しましょう。

彼女は薬局の、看板娘。
フエの新市街ではたくさん見かけましたが、一人ひとり微妙に違うんです。
写真の彼女は私が見つけたミス・フエ。
他の写真がご覧になりたい方はさくらんぼママさんのブログへどうぞ!
同じフエでも青空が広がっておりますわ。
・・・・次。
ホーチミンで出会った、彼。
チャーミングな瞳と包容力のある口もとが魅力の、彼。

彼は公園のゴミ箱だと思われ、
サイゴン川の畔にこれでもかというくらい群れをなして並んでおります。
迫力満点なのでございます。
最後になりましたが。
ホーチミンの空港、国内線待合室で出会った、彼。
まだら模様がミステリアスな、彼。

正面から見れば、どうやらパンダのつもりらしい。

もしくはブチのある狸。
しかも灰色。
あんまりうろ覚えでつくらないで頂きたい。
国内線のあちこちで見かける彼(募金箱)は、
よく見れば、一体一体、模様が違っておりました。
これからタソンニャットで国内線を利用される方はぜひ、
お気に入りの彼を探してみてください。
レディファーストで、フエで出会った白衣の天使からご紹介しましょう。

彼女は薬局の、看板娘。
フエの新市街ではたくさん見かけましたが、一人ひとり微妙に違うんです。
写真の彼女は私が見つけたミス・フエ。
他の写真がご覧になりたい方はさくらんぼママさんのブログへどうぞ!
同じフエでも青空が広がっておりますわ。
・・・・次。
ホーチミンで出会った、彼。
チャーミングな瞳と包容力のある口もとが魅力の、彼。

彼は公園のゴミ箱だと思われ、
サイゴン川の畔にこれでもかというくらい群れをなして並んでおります。
迫力満点なのでございます。
最後になりましたが。
ホーチミンの空港、国内線待合室で出会った、彼。
まだら模様がミステリアスな、彼。

正面から見れば、どうやらパンダのつもりらしい。

もしくはブチのある狸。
しかも灰色。
あんまりうろ覚えでつくらないで頂きたい。
国内線のあちこちで見かける彼(募金箱)は、
よく見れば、一体一体、模様が違っておりました。
これからタソンニャットで国内線を利用される方はぜひ、
お気に入りの彼を探してみてください。

ベトナム旅行記も終わりに近づいてきた。
が、このままでは書き足りない。
まだ書き足りない。
チェーのこと書いてない!
日本語ツアーに参加したときバスの遅延で1時間ほど待っていろと言われた。
私はミトーの町にくりだして、チェーをひとつ買って帰った。
「これ美味しいんですよ、味見します?」
するとツアーの皆さんから返ってきた答えは
「うーん、やめときます」
「うーん、結構です」
「うーん、ちょっと怖いですね」
彼らはいったい何を恐れているのであろう。
チェーのうえに載っている氷か。
露店か。
それともひょっとして、場違いなバックパッカーな私か?
すっかりハマった美味しいデザート、チェー。
氷あんみつ?
グラスの中に甘いものをいれて最後に氷をかける。
ふだんカキ氷が苦手な私でも、チェーはちょっと特別。
これだけは特別!
お腹をこわしているくせに7日間で6軒まわった。
写真はフエの街角で見つけたチェーの屋台。

ずらりと並んだ色とりどりの鍋が楽しい。
コーヒーゼリー・白玉・寒天・タピオカ・緑豆・小豆・紫芋・・・エトセトラ。
「どれにする?」
白玉と紫芋を指差したら+αをミックスした上にクリームとピーナツをかけてくれた。
こちらはダナンの店のチェー。

あずき入りでここも激ウマ!
温かいチェーもある。
これはバナナとタロイモに甘いシロップをかけた、あったかいチェー。

ミトーで食べたチェーには海草が入ってたし、
ホーチミンの店のトッピングの中にはレンコンがあった。
なんでもアリっぽいチェーの魅力に私は完全にとりつかれた。
次回ベトナムに行くときには(絶対また行く)ぜひともチェーの道を探求したい。
が、このままでは書き足りない。
まだ書き足りない。
チェーのこと書いてない!
日本語ツアーに参加したときバスの遅延で1時間ほど待っていろと言われた。
私はミトーの町にくりだして、チェーをひとつ買って帰った。
「これ美味しいんですよ、味見します?」
するとツアーの皆さんから返ってきた答えは
「うーん、やめときます」
「うーん、結構です」
「うーん、ちょっと怖いですね」
彼らはいったい何を恐れているのであろう。
チェーのうえに載っている氷か。
露店か。
それともひょっとして、場違いなバックパッカーな私か?
すっかりハマった美味しいデザート、チェー。
氷あんみつ?
グラスの中に甘いものをいれて最後に氷をかける。
ふだんカキ氷が苦手な私でも、チェーはちょっと特別。
これだけは特別!
お腹をこわしているくせに7日間で6軒まわった。
写真はフエの街角で見つけたチェーの屋台。

ずらりと並んだ色とりどりの鍋が楽しい。
コーヒーゼリー・白玉・寒天・タピオカ・緑豆・小豆・紫芋・・・エトセトラ。
「どれにする?」
白玉と紫芋を指差したら+αをミックスした上にクリームとピーナツをかけてくれた。
こちらはダナンの店のチェー。

あずき入りでここも激ウマ!
温かいチェーもある。
これはバナナとタロイモに甘いシロップをかけた、あったかいチェー。

ミトーで食べたチェーには海草が入ってたし、
ホーチミンの店のトッピングの中にはレンコンがあった。
なんでもアリっぽいチェーの魅力に私は完全にとりつかれた。
次回ベトナムに行くときには(絶対また行く)ぜひともチェーの道を探求したい。

現地の旅行会社で日本語ツアーに申し込んでみた。
超定番の『メコンデルタ1日ツアー』。
ラオスやタイ、カンボジアを流れるメコン川は南ベトナムで海へと注ぎ込む。
河口近くには肥沃な大地が広がっており、それがメコンデルタと呼ばれる地域だ。
幅2キロもある大きな川にはいくつもの島がうかんでおり、
エンジンボートで島へわたればそこには
土産物屋兼、ココナッツキャンディー工場とか
土産物屋兼、はちみつ農場とか
土産物屋兼、ランチタイムとか
などなど待ち構えているわけだ。
退屈といえば退屈だけど、のんびりまったり気楽な一日。
ランチタイムの折、他の日本人ツーリストの皆さんと
「どこにお泊りですか?」
てな話になった。
「私はリバーサイドホテルです」
「私はシェラトンです」
「私はマジェスティックです」
皆さん凄いホテルにお泊りである。
「あなたは?」
デタムの安宿ですが何か?
「まあ、それは凄いところにお泊りですね!」
放っといてください。
バックパッカーだってたまにはツアー利用したってええやないですか。
最後は手漕ぎボートに乗る。
小舟にのってゆらゆらと。
マングローブの通路をすすむ。
遊園地の舟でいくアトラクションの本物バージョンみたいだ。
栄養分をたっぷり含んだ茶色い流れ。
両側はマングローブの緑の壁。
ずっと上のほうで、ヤシとバナナの葉っぱのぶつかる音がする。
風がざわざわと騒ぎたてながら通りぬけていく。

すれ違う空の小舟のおばちゃんが、
にっこり笑って手をさしのべる。
「チップ、チップ、チップちょうだ~い!」
・・・うるさいわ!
雰囲気、だいなし。
↓ランキング参加中。気が向いたら押してやってください。
超定番の『メコンデルタ1日ツアー』。
ラオスやタイ、カンボジアを流れるメコン川は南ベトナムで海へと注ぎ込む。
河口近くには肥沃な大地が広がっており、それがメコンデルタと呼ばれる地域だ。
幅2キロもある大きな川にはいくつもの島がうかんでおり、
エンジンボートで島へわたればそこには
土産物屋兼、ココナッツキャンディー工場とか
土産物屋兼、はちみつ農場とか
土産物屋兼、ランチタイムとか
などなど待ち構えているわけだ。
退屈といえば退屈だけど、のんびりまったり気楽な一日。
ランチタイムの折、他の日本人ツーリストの皆さんと
「どこにお泊りですか?」
てな話になった。
「私はリバーサイドホテルです」
「私はシェラトンです」
「私はマジェスティックです」
皆さん凄いホテルにお泊りである。
「あなたは?」
デタムの安宿ですが何か?
「まあ、それは凄いところにお泊りですね!」
放っといてください。
バックパッカーだってたまにはツアー利用したってええやないですか。
最後は手漕ぎボートに乗る。
小舟にのってゆらゆらと。
マングローブの通路をすすむ。
遊園地の舟でいくアトラクションの本物バージョンみたいだ。
栄養分をたっぷり含んだ茶色い流れ。
両側はマングローブの緑の壁。
ずっと上のほうで、ヤシとバナナの葉っぱのぶつかる音がする。
風がざわざわと騒ぎたてながら通りぬけていく。

すれ違う空の小舟のおばちゃんが、
にっこり笑って手をさしのべる。
「チップ、チップ、チップちょうだ~い!」
・・・うるさいわ!
雰囲気、だいなし。
↓ランキング参加中。気が向いたら押してやってください。

バイクタクシーに乗ってるときが一番ベトナムらしいと感じたのは、
この国ではバイクが足の代わりであり、
街はどこでもバイクで溢れかえっているからじゃないだろうか。
フエからホーチミンに戻ると殊更そう思った。
1月最後の週だった。
テト(旧正月)も近づき、ホーチミンの街はイルミネーションも人ごみも、
バイクの数も倍増していた。
夜ともなればどこもかしこもバイクの洪水!
バイクの奔流。濁流。激流にのみこまれそうである。

車の数は意外に少なく、
歩いてる人はもっと少なく、
誰もが二輪に乗っている。
ちょっとそこまで行くにもバイクに乗るんだろうか?
「歩いて観光するなんて危険だ。
バイクに乗ったほうがずっと安全だよ」
と言ったバイクタクシーの言葉もあながち嘘とは思えなかった。
トンレサップ湖で生まれた子供は、歩くのと同時にボートの操り方を覚える。
モンゴルの草原で生まれた子供は、歩くのと同時に馬の乗り方を覚える。
そしてアジアの都市で生まれた子供は、
歩くのと同時にバイクの乗り方を覚えるんだろう。

この国ではバイクが足の代わりであり、
街はどこでもバイクで溢れかえっているからじゃないだろうか。
フエからホーチミンに戻ると殊更そう思った。
1月最後の週だった。
テト(旧正月)も近づき、ホーチミンの街はイルミネーションも人ごみも、
バイクの数も倍増していた。
夜ともなればどこもかしこもバイクの洪水!
バイクの奔流。濁流。激流にのみこまれそうである。

車の数は意外に少なく、
歩いてる人はもっと少なく、
誰もが二輪に乗っている。
ちょっとそこまで行くにもバイクに乗るんだろうか?
「歩いて観光するなんて危険だ。
バイクに乗ったほうがずっと安全だよ」
と言ったバイクタクシーの言葉もあながち嘘とは思えなかった。
トンレサップ湖で生まれた子供は、歩くのと同時にボートの操り方を覚える。
モンゴルの草原で生まれた子供は、歩くのと同時に馬の乗り方を覚える。
そしてアジアの都市で生まれた子供は、
歩くのと同時にバイクの乗り方を覚えるんだろう。


観光地ホイアンから再びフエの町へ。
旅行会社のオープンバスを使って帰ってきた。
ベトナムはツーリスト向けの旅行社がたくさんあるから便利だ。

2度目のフエではバイクタクシーを雇って史跡をいくつかまわった。
「時間がないから大急ぎ!」
と言ったら、近道しまくりの猛スピードで突っ走ってくれた。
おかげで史跡よりお寺よりバイクで走った数十分間のほうがずっと刺激的だった。
フエの田舎は美しかった。
犬と子供とコケコッコーが走りまわって遊んでる。
菅笠をかぶったお百姓さんが腰をかがめて田植えをしている。
牛が畑を耕していく。
おじいちゃんが小さな祠の掃除をしている。
重そうな天秤棒を担いで、おばちゃんが商いにでかける。
シクローが重そうな荷物をのせて橋を渡っていく。
市場には生花や造化があふれ、赤や黄色やカラフルな色にそまる。
「正月用の花だよ」
とドライバーが言う。
また農道に出る。
次の村を通る。
ここでも犬と子供とコケコッコーが一緒になって走っている。
ハイライトはジャングルでのオフロード。
泥と岩とのモトクロス!
竹やシュロや南国の平たい木の葉がヘルメットをかすめ、
小枝が耳元でパキパキ鳴る。
私はぎゃーぎゃー悲鳴をあげる。
そりゃもう目が回るような走り方で、危険ではあったけど、
生春巻にチャレンジした時よりもフォーを食べた時よりも、
バイクの後ろに乗ってるときのほうが
「ベトナムへ来た!」
という気持ちがした。
でこぼこ道の振動にゆさぶられながら。
緑の風に頬をなぶられながら。
フエの田舎を走りぬけた。
あるとき田んぼ道の真ん中で、ドライバーはスピードをふうっとゆるめて、
「エレファント」
指差した。
エレファント。
象だ。
畑をひとつ挟んだむこう。
山と森とが始まるところ。
みっしり繁った藪の中から、山型の額がのぞいていた。
灰色の肌に小さな黒い目がふたつ。
まぎれもなく象の顔だった。
あたりの木々が騒がしく揺れているのは、鼻をつかって葉っぱを食べているせいだろう。
耳も動かしていたかもしれない。
首には象使いが乗っていた。
菅笠をかぶった、それは小さな小さな人だった。
ほんの束の間、私たちは象と見つめあっていたが、
やがてバイクはまたスピードをあげて走りだした。
↓気が向いたら押してやってください。
旅行会社のオープンバスを使って帰ってきた。
ベトナムはツーリスト向けの旅行社がたくさんあるから便利だ。


2度目のフエではバイクタクシーを雇って史跡をいくつかまわった。
「時間がないから大急ぎ!」
と言ったら、近道しまくりの猛スピードで突っ走ってくれた。
おかげで史跡よりお寺よりバイクで走った数十分間のほうがずっと刺激的だった。
フエの田舎は美しかった。
犬と子供とコケコッコーが走りまわって遊んでる。
菅笠をかぶったお百姓さんが腰をかがめて田植えをしている。
牛が畑を耕していく。
おじいちゃんが小さな祠の掃除をしている。
重そうな天秤棒を担いで、おばちゃんが商いにでかける。
シクローが重そうな荷物をのせて橋を渡っていく。
市場には生花や造化があふれ、赤や黄色やカラフルな色にそまる。
「正月用の花だよ」
とドライバーが言う。
また農道に出る。
次の村を通る。
ここでも犬と子供とコケコッコーが一緒になって走っている。
ハイライトはジャングルでのオフロード。
泥と岩とのモトクロス!
竹やシュロや南国の平たい木の葉がヘルメットをかすめ、
小枝が耳元でパキパキ鳴る。
私はぎゃーぎゃー悲鳴をあげる。
そりゃもう目が回るような走り方で、危険ではあったけど、
生春巻にチャレンジした時よりもフォーを食べた時よりも、
バイクの後ろに乗ってるときのほうが
「ベトナムへ来た!」
という気持ちがした。
でこぼこ道の振動にゆさぶられながら。
緑の風に頬をなぶられながら。
フエの田舎を走りぬけた。
あるとき田んぼ道の真ん中で、ドライバーはスピードをふうっとゆるめて、
「エレファント」
指差した。
エレファント。
象だ。
畑をひとつ挟んだむこう。
山と森とが始まるところ。
みっしり繁った藪の中から、山型の額がのぞいていた。
灰色の肌に小さな黒い目がふたつ。
まぎれもなく象の顔だった。
あたりの木々が騒がしく揺れているのは、鼻をつかって葉っぱを食べているせいだろう。
耳も動かしていたかもしれない。
首には象使いが乗っていた。
菅笠をかぶった、それは小さな小さな人だった。
ほんの束の間、私たちは象と見つめあっていたが、
やがてバイクはまたスピードをあげて走りだした。
↓気が向いたら押してやってください。

ホイアン。
江戸時代の日本も朱印船貿易をしていた町。
ここには今でも古い町屋がならんでいる。
瓦の屋根。
赤い提灯。
世界遺産にもなった町並み。
観光地・ホイアン。
ホイアンは今までになく観光地だった。
土産物屋がこれでもかというほど軒を連ね、
たくさんの欧米人がレンタサイクルを乗りまわし、
中国語がにぎやかに乱れとび、
レストランの前には写真入り英語メニューが立てかけられて手招きしている。

こういう土地は分りやすい。
すべてが二手に分けられているから。
たとえば川辺のバクダン通り。
道を挟んで、
こちら側が観光客用。
あちら側が地元民用。
値段もすべて違うのだろう。
私たちは同じ場所にいながら、常にこっち側とあっち側とに別れて存在する。
そのほうが安全だし、お互いに居心地がいいと思われているのだろう。

招かれもしないのに「あちら」へ足を踏み込むことは、
観客が舞台裏に侵入することと同じ罪の匂いがする。
住宅地の奥深くへ入りこんだりすれば、なまじ観光客慣れしている土地だけに、よその町よりも厳しい視線にさらされる。
彼らは何も言わないけれどその目にはいたたまれない気持ちにさせられる。
いつか
「お客様。こちらはスタッフ専用区域となっております」
と言われるんじゃないかと思って、なんだかビクビクしてしまう。
なんちゅうか・・・私って気が弱いんだろうな。
観光地という言葉には、いつも寂しい響きをおぼえてしまう。

江戸時代の日本も朱印船貿易をしていた町。
ここには今でも古い町屋がならんでいる。
瓦の屋根。
赤い提灯。
世界遺産にもなった町並み。
観光地・ホイアン。
ホイアンは今までになく観光地だった。
土産物屋がこれでもかというほど軒を連ね、
たくさんの欧米人がレンタサイクルを乗りまわし、
中国語がにぎやかに乱れとび、
レストランの前には写真入り英語メニューが立てかけられて手招きしている。

こういう土地は分りやすい。
すべてが二手に分けられているから。
たとえば川辺のバクダン通り。
道を挟んで、
こちら側が観光客用。
あちら側が地元民用。
値段もすべて違うのだろう。
私たちは同じ場所にいながら、常にこっち側とあっち側とに別れて存在する。
そのほうが安全だし、お互いに居心地がいいと思われているのだろう。

招かれもしないのに「あちら」へ足を踏み込むことは、
観客が舞台裏に侵入することと同じ罪の匂いがする。
住宅地の奥深くへ入りこんだりすれば、なまじ観光客慣れしている土地だけに、よその町よりも厳しい視線にさらされる。
彼らは何も言わないけれどその目にはいたたまれない気持ちにさせられる。
いつか
「お客様。こちらはスタッフ専用区域となっております」
と言われるんじゃないかと思って、なんだかビクビクしてしまう。
なんちゅうか・・・私って気が弱いんだろうな。
観光地という言葉には、いつも寂しい響きをおぼえてしまう。

ダナンと、次の目的地ホイアンの間にはローカルバスが走っている。
かなり目立つ黄色いバスで、大きな字で
「ダナン-ホイアン」
と書いてあるから一目でわかる。
とりあえず乗ってから車掌さんに
「ホイアンまでナンボ?」
値段をきいたら
「4万ドン」
えらくボッてきやがった。
ガイドブックによれば7千ドン、幾ら値上がりしても5倍はないだろう。
「そんなに払えないよ」
「払え」
「無理!」
「払えー!」
「無理ー!」
押し問答を続けていたら、バスが停まった。
「降りろ!」
降ろされてしまったではないか。
外国人プライスを受け入れないので降ろされたのかと思っていたが、
「ホイアン行きはあっちだよーん」
私が乗っていたのは逆方向のバスだったらしい。
今までいったい何のために争っていたのであろうか。
バスの便はよく、10分後には次のバスが来た。
こんどこそちゃんとホイアン行き。
「あそこへ座れ」
案内されたのはいちばん後ろの席。
温和そうなドイツ人老夫婦の隣だった。
気になるお値段は?
「2万ドン」
さっきの半額。
それでもボラれてるんだろうなと思った。
だけどドイツ人夫婦はすでに2万ドンを支払った後だったし、
またバスを降ろされたら面倒くさいので大人しく支払っておいた。
・・・ボラれたっていいじゃない。
どこかのブログさんで読んだ言葉を思いだした。
騙されたっていいじゃない。
言い争って過ごすより、笑って旅をしていたい。

車が少なくバイクだらけのこの国では、
バスは単に乗客を運ぶものではなく、
バイクに乗りきらない荷物を運ぶ輸送手段でもあるらしかった。
売り物のバスケット、
大きなコメの袋、
ニワトリの入ってそうな竹の籠。
自転車は4台も載せられた。
持ち込んだ当人はバスに乗らないで、ホイアンで別の人が受け取ることもあった。
かなり目立つ黄色いバスで、大きな字で
「ダナン-ホイアン」
と書いてあるから一目でわかる。
とりあえず乗ってから車掌さんに
「ホイアンまでナンボ?」
値段をきいたら
「4万ドン」
えらくボッてきやがった。
ガイドブックによれば7千ドン、幾ら値上がりしても5倍はないだろう。
「そんなに払えないよ」
「払え」
「無理!」
「払えー!」
「無理ー!」
押し問答を続けていたら、バスが停まった。
「降りろ!」
降ろされてしまったではないか。
外国人プライスを受け入れないので降ろされたのかと思っていたが、
「ホイアン行きはあっちだよーん」
私が乗っていたのは逆方向のバスだったらしい。
今までいったい何のために争っていたのであろうか。
バスの便はよく、10分後には次のバスが来た。
こんどこそちゃんとホイアン行き。
「あそこへ座れ」
案内されたのはいちばん後ろの席。
温和そうなドイツ人老夫婦の隣だった。
気になるお値段は?
「2万ドン」
さっきの半額。
それでもボラれてるんだろうなと思った。
だけどドイツ人夫婦はすでに2万ドンを支払った後だったし、
またバスを降ろされたら面倒くさいので大人しく支払っておいた。
・・・ボラれたっていいじゃない。
どこかのブログさんで読んだ言葉を思いだした。
騙されたっていいじゃない。
言い争って過ごすより、笑って旅をしていたい。

車が少なくバイクだらけのこの国では、
バスは単に乗客を運ぶものではなく、
バイクに乗りきらない荷物を運ぶ輸送手段でもあるらしかった。
売り物のバスケット、
大きなコメの袋、
ニワトリの入ってそうな竹の籠。
自転車は4台も載せられた。
持ち込んだ当人はバスに乗らないで、ホイアンで別の人が受け取ることもあった。

ちょっと横道へそれますが。
「音」の話をしようと思う。
旅行とは、現実逃避を楽しむもの。
仕事や。
家事や。
日常生活の義務から逃れ、きれいさっぱり解き放たれて、
思いっきり羽をのばすもの。
・・・それなのに。
ああ、それなのに!
楽しい旅のさなかに突然、あまりにも現実的な「音」に出くわすことがある。
日本では毎日まいにち耳にする音、だからこそ一瞬にして現実に引き戻される「音」。
たとえば、モロッコで鉄道旅行を楽しんでいるときに、
カサブランカ駅の「列車が到着しました」音が、
パソコンのメール着信音と同じだった場合(こんな音)。
どんなメールが着いたのかと気になってしまう。
たとえば、どこかの町の清掃車の音が、
仕事場にずーっと流れているBGMとまったく同じだった場合。
条件反射で
「○○をしなければ!」
と体が動いてしまう。
たとえば、ダナンで泊まったホテルで
「エレベーターが開きますよ」
というお知らせ音が、うちの家の
「お風呂が沸きました」
というお知らせ音とまったく同じ音だった場合。
エレベーターに乗り降りするたびに
「ああ、お風呂が沸いた」
と思ってしまう。
それはすべて機械の音で、ただの偶然なんだけど。
「この音は!」
と、やたら過敏に反応してしまう。
旅から帰ってきたあとは、逆に、家のお風呂が沸くたびに
「あ、エレベーターがきた」
と思ってしまうのだ。
それも、旅の思い出だ。
↓気が向いたら押してくだささい。
「音」の話をしようと思う。
旅行とは、現実逃避を楽しむもの。
仕事や。
家事や。
日常生活の義務から逃れ、きれいさっぱり解き放たれて、
思いっきり羽をのばすもの。
・・・それなのに。
ああ、それなのに!
楽しい旅のさなかに突然、あまりにも現実的な「音」に出くわすことがある。
日本では毎日まいにち耳にする音、だからこそ一瞬にして現実に引き戻される「音」。
たとえば、モロッコで鉄道旅行を楽しんでいるときに、
カサブランカ駅の「列車が到着しました」音が、
パソコンのメール着信音と同じだった場合(こんな音)。
どんなメールが着いたのかと気になってしまう。
たとえば、どこかの町の清掃車の音が、
仕事場にずーっと流れているBGMとまったく同じだった場合。
条件反射で
「○○をしなければ!」
と体が動いてしまう。
たとえば、ダナンで泊まったホテルで
「エレベーターが開きますよ」
というお知らせ音が、うちの家の
「お風呂が沸きました」
というお知らせ音とまったく同じ音だった場合。
エレベーターに乗り降りするたびに
「ああ、お風呂が沸いた」
と思ってしまう。
それはすべて機械の音で、ただの偶然なんだけど。
「この音は!」
と、やたら過敏に反応してしまう。
旅から帰ってきたあとは、逆に、家のお風呂が沸くたびに
「あ、エレベーターがきた」
と思ってしまうのだ。
それも、旅の思い出だ。
↓気が向いたら押してくだささい。

これもダナンの猫さん。

ダナンは晴れて、あったかく、美味しいチェーにありついた町だった。
観光するところはあんまりないから、
ハン川沿いの散歩道でぼーっと過ごした。
広い散歩道を利用して、エクササイズしている親子がいた。
中年のお母さんと、
10歳くらいのお姉ちゃんと、
7才くらいの坊やだった。
3人は、駆けっこしたり、
ラジオ体操みたいなのをやったり、
垂直ジャンプしたりして、
きゃあきゃあふざけながら動いていた。
しばらくして、向こうのほうのベンチに座っていたご婦人が子供達を呼んだ。
「そろそろ帰りますよー!」
その人が本当のお母さんだった。
一緒に運動していたのは近所のオバサンか何かなんだろう。
オバサンは子供達に手を振って母親のもとに帰した。
上着を着て、帽子をかぶり、
仕事に戻る格好になった。
そして振り返った。
母親と合流して小鳥のように喋りながら遠ざかっていく子供たちを、
しばらくぼんやり見送っていた。
そのときのオバサンの顔つきは、ものすごくテンションが低かった。
さっきまで子供たちとはしゃいでいた人とは思えないくらい物憂げだった。
ベトナム人の朝は早い。
4時半頃から通勤バイクの音で目が覚める。
朝早くから日暮れまで働いて、それでも食っていけないから、
午後に一休みしたあとまた違う仕事に出ていく人が多いんだという。
・・・子供たちとの運動は、オバサンにとって大事な「一休み」だったのかな。

ダナンは晴れて、あったかく、美味しいチェーにありついた町だった。
観光するところはあんまりないから、
ハン川沿いの散歩道でぼーっと過ごした。
広い散歩道を利用して、エクササイズしている親子がいた。
中年のお母さんと、
10歳くらいのお姉ちゃんと、
7才くらいの坊やだった。
3人は、駆けっこしたり、
ラジオ体操みたいなのをやったり、
垂直ジャンプしたりして、
きゃあきゃあふざけながら動いていた。
しばらくして、向こうのほうのベンチに座っていたご婦人が子供達を呼んだ。
「そろそろ帰りますよー!」
その人が本当のお母さんだった。
一緒に運動していたのは近所のオバサンか何かなんだろう。
オバサンは子供達に手を振って母親のもとに帰した。
上着を着て、帽子をかぶり、
仕事に戻る格好になった。
そして振り返った。
母親と合流して小鳥のように喋りながら遠ざかっていく子供たちを、
しばらくぼんやり見送っていた。
そのときのオバサンの顔つきは、ものすごくテンションが低かった。
さっきまで子供たちとはしゃいでいた人とは思えないくらい物憂げだった。
ベトナム人の朝は早い。
4時半頃から通勤バイクの音で目が覚める。
朝早くから日暮れまで働いて、それでも食っていけないから、
午後に一休みしたあとまた違う仕事に出ていく人が多いんだという。
・・・子供たちとの運動は、オバサンにとって大事な「一休み」だったのかな。

ダナンの宿の窓からはフォーン川が見渡せた。
この川沿いを10分ほど歩いたところに美術館がある。
チャム彫刻美術館だ。
中部ベトナムに栄えたチャンパ王国。
ヒンズー教の国で、ヴィシュヌやブラフマーなどが並んでいる。
曲線のうつくしい、丸っこい神様たち。
チャンパの彫刻には愛嬌がある。
可愛い。
やさしい。
親しみやすい。
中でもいちばん好きだったのが、この像。
ほんとにもう「チャンパ!」って感じるから。

この像の前にくると思わず微笑む人が多かった。
体の大きなフランス人のおっちゃんが、おもむろに手を開いて、像と同じポーズで
「チャンパ~!」
と呟いた。
こっちのひとも誰かに似てる。

女神様たちのおっぱいがかなりデカくて気になるんだけど、
それすらほのぼのして見える。
この美術館は気持ちがいい。
窓にガラスがないせいだ。
川から吹く風がそのまま通りぬけていく。
雀もちゅんちゅん飛んでくる。
ちゅんちゅんいいながら彫像にフンを落してく。
・・・いいのか?
・・・いいらしい。
ガネシャの背中が白くそまっても。
それくらい。
どうってことない。
自然のまんまの空気がながれる素敵な美術館だ。
↓お気に召したらクリックよろしく・・・
この川沿いを10分ほど歩いたところに美術館がある。
チャム彫刻美術館だ。
中部ベトナムに栄えたチャンパ王国。
ヒンズー教の国で、ヴィシュヌやブラフマーなどが並んでいる。
曲線のうつくしい、丸っこい神様たち。
チャンパの彫刻には愛嬌がある。
可愛い。
やさしい。
親しみやすい。
中でもいちばん好きだったのが、この像。
ほんとにもう「チャンパ!」って感じるから。

この像の前にくると思わず微笑む人が多かった。
体の大きなフランス人のおっちゃんが、おもむろに手を開いて、像と同じポーズで
「チャンパ~!」
と呟いた。
こっちのひとも誰かに似てる。

女神様たちのおっぱいがかなりデカくて気になるんだけど、
それすらほのぼのして見える。
この美術館は気持ちがいい。
窓にガラスがないせいだ。
川から吹く風がそのまま通りぬけていく。
雀もちゅんちゅん飛んでくる。
ちゅんちゅんいいながら彫像にフンを落してく。
・・・いいのか?
・・・いいらしい。
ガネシャの背中が白くそまっても。
それくらい。
どうってことない。
自然のまんまの空気がながれる素敵な美術館だ。
↓お気に召したらクリックよろしく・・・

ホーチミンからフエまでは、飛行機で飛んでしまったけれど、
本当は列車に乗りたかった。
ちょっとでもいいから乗りたかった。
そこでフエからダナンまで、短い距離を列車で移動することにした。
朝イチでフエの駅へ行く。
窓口が一つしか開いてないから、切符売り場は大混雑。
「2/3のハノイ行き2枚」
「オレの切符、日付を替えられない?」
「待てよオレが先だぞ!」
順番を待つとか並ぶとかいう観念がない。
私も押し合いへしあいに参加して切符を買った。
なぜか席種は選ばせてもらえなかった。
値段の高いソフトシートだ。
乗客が10人ほどしかいない、寂しいぐらいにガラガラの車両だった。

高い席のためか、お弁当付き。
豚の角煮みたいなのが旨かった。

車窓からの眺めは、悪い。
網がかかっているからだ。
天気もいまいち。
それでも列車は楽しかった。
窓のアミアミの向こうをのどかな田舎が通りすぎていく。
村と畑と緑の水田。
小さな家と草を食む牛。

こうして見ると、世界中どこでも変わらないなと思う。
村があり、人間がいて、食べるために働いている。
モーモーやワンワンやコケコッコーと鳴くのがいて、人間とともに暮らしてる。
日本もベトナムもインドもトルコもモロッコも。
みんな同じだ。
ほんのちょっと、森の木々が違うだけで。
ほんのちょっと、言葉や肌の色や衣服が違うだけで。
そんなことは些細な違いでしかない。
山道にさしかかると列車はスピードを落した。
車体が重いなろうか。
のろくさと這うように進む。
ようやくのことでトンネルを抜けると、空が明るくなった。
気温もぐっと暖かくなった。
峠を越えたのだ。
バスなら2,3時間でいけるところを、列車は4時間あまりかけてダナンへ着いた。
気が向いたら押してやってください・・・↓
本当は列車に乗りたかった。
ちょっとでもいいから乗りたかった。
そこでフエからダナンまで、短い距離を列車で移動することにした。
朝イチでフエの駅へ行く。
窓口が一つしか開いてないから、切符売り場は大混雑。
「2/3のハノイ行き2枚」
「オレの切符、日付を替えられない?」
「待てよオレが先だぞ!」
順番を待つとか並ぶとかいう観念がない。
私も押し合いへしあいに参加して切符を買った。
なぜか席種は選ばせてもらえなかった。
値段の高いソフトシートだ。
乗客が10人ほどしかいない、寂しいぐらいにガラガラの車両だった。


高い席のためか、お弁当付き。
豚の角煮みたいなのが旨かった。

車窓からの眺めは、悪い。
網がかかっているからだ。
天気もいまいち。
それでも列車は楽しかった。
窓のアミアミの向こうをのどかな田舎が通りすぎていく。
村と畑と緑の水田。
小さな家と草を食む牛。

こうして見ると、世界中どこでも変わらないなと思う。
村があり、人間がいて、食べるために働いている。
モーモーやワンワンやコケコッコーと鳴くのがいて、人間とともに暮らしてる。
日本もベトナムもインドもトルコもモロッコも。
みんな同じだ。
ほんのちょっと、森の木々が違うだけで。
ほんのちょっと、言葉や肌の色や衣服が違うだけで。
そんなことは些細な違いでしかない。
山道にさしかかると列車はスピードを落した。
車体が重いなろうか。
のろくさと這うように進む。
ようやくのことでトンネルを抜けると、空が明るくなった。
気温もぐっと暖かくなった。
峠を越えたのだ。
バスなら2,3時間でいけるところを、列車は4時間あまりかけてダナンへ着いた。
気が向いたら押してやってください・・・↓

ホーチミンは1日だけでサラリと流し。
翌日には古都・フエへ向かった。
本当は鉄道でゆっくり旅したいのだけど、時間も体力もないから飛行機でひとっ飛びだ。
飛行機を降りたら雨だった。
ホーチミンも雨だったけど、古都の雨には情緒がある。

雨の遺跡は夢をみている。
遺跡という場所は、人が訪れるたびに
「昔はこうだったよね」
「昔はあんなだったよね」
と話しつづけるから、いつまでもずっと昔のことを覚えている。
過去の時間の記憶を保ちつづけている。
そうして雨が降るたびに、思い出すのかもしれない。
昔のことを夢みているのかもしれない。
黒ずんだ壁や霧雨にぬれた草や崩れそうな階段の間に、
昔の夢が煙のようにたちのぼる。
・・・そんな気がする。


フエは雨が多いのかな。
去年は記録的な洪水で大変だったらしい。
雨の日は行商人のおばちゃんも大変だなあ・・・。
と思ってたら!
目の前を歩いていたおばちゃんが立ち止まった。
天秤棒を肩から下ろしてしゃがみこむ。
何をしてるんだろうとすれ違いざまにちょっと見ると。
おばちゃん、オシッコしてた。
まあね、珍しいことじゃないよ。
田舎だしね。
橋の上から川にむかってやったら気持ちいいのかもしれない。
だけどおばちゃん。
橋の下を、舟が通ってるよ?
フエはけっこう寒かった。
夜にはジャケットが必要なほどで、
「ベトナムって東南アジアだろ!
ヤル気あるのか、おい!」
と怒りたくなるほど寒かった。
勉強不足で知らなかったのだが、北部のハノイでは10℃を下回るほど寒いらしい。
おばちゃんも寒くて冷えたんだろう。
私も冷えた。
フエでは観光するよりも、トイレばっかり探してた。

翌日には古都・フエへ向かった。
本当は鉄道でゆっくり旅したいのだけど、時間も体力もないから飛行機でひとっ飛びだ。
飛行機を降りたら雨だった。
ホーチミンも雨だったけど、古都の雨には情緒がある。

雨の遺跡は夢をみている。
遺跡という場所は、人が訪れるたびに
「昔はこうだったよね」
「昔はあんなだったよね」
と話しつづけるから、いつまでもずっと昔のことを覚えている。
過去の時間の記憶を保ちつづけている。
そうして雨が降るたびに、思い出すのかもしれない。
昔のことを夢みているのかもしれない。
黒ずんだ壁や霧雨にぬれた草や崩れそうな階段の間に、
昔の夢が煙のようにたちのぼる。
・・・そんな気がする。


フエは雨が多いのかな。
去年は記録的な洪水で大変だったらしい。
雨の日は行商人のおばちゃんも大変だなあ・・・。
と思ってたら!
目の前を歩いていたおばちゃんが立ち止まった。
天秤棒を肩から下ろしてしゃがみこむ。
何をしてるんだろうとすれ違いざまにちょっと見ると。
おばちゃん、オシッコしてた。
まあね、珍しいことじゃないよ。
田舎だしね。
橋の上から川にむかってやったら気持ちいいのかもしれない。
だけどおばちゃん。
橋の下を、舟が通ってるよ?
フエはけっこう寒かった。
夜にはジャケットが必要なほどで、
「ベトナムって東南アジアだろ!
ヤル気あるのか、おい!」
と怒りたくなるほど寒かった。
勉強不足で知らなかったのだが、北部のハノイでは10℃を下回るほど寒いらしい。
おばちゃんも寒くて冷えたんだろう。
私も冷えた。
フエでは観光するよりも、トイレばっかり探してた。

ベトナムの食べものの話をしていたらキリがない。
旅の話を始めよう。
まずは関空からホーチミン・シティへ到着。
空港では大勢のタクシー待ち構えており、客引き合戦が展開される。
「町まで10ドルでどうだ」
「オレは8ドル」
「オレは6ドル」
なんだこれは?
競売か?
私はセリにかけられているのか?
外国人と見るとUSドルで値段を言われることも多いが、
私はほとんどドンで支払った。
だがこの「ドン」が、また困る。

・・・同じオジサンばっかりで困る。
しかも額が大きい。
100000ドンと10000ドンとか、ゼロがいっぱいで目がちかちかする。
さて、ホーチミンではバックパッカーの集うデタム通りに宿を決め、観光に出かけた。
戦争博物館。
統一会館。
ビンタイ市場。
1日かけて観光をした挙句、その日一番感心したものは、観光地よりも何よりも、バイクの数だった。
ひかれないで歩くにはどうすればいいのか分らない。
帰りはタクシーを使おうと思った。
タクシーと言えば、よく、こんな言葉を耳にする。
「白タクは危ない。
メーターのタクシーに乗るべきだ。
乗ったらちゃんとメーターが動いているか確かめること」
チョロンから乗ったタクシーはちゃんとしたタクシーだった。
メーターは普通に動いていた。
動いていた・・・のだが。
その日はだいぶ具合が悪く、タクシーに乗る前に薬をのんでいた。
お医者さんが処方箋を書きながら
「これは眠くなる薬だよ」
と言っていた薬だ。
私は恐ろしい睡魔に襲われて、つい眠りこんでしまった。
目が覚めるともう宿のすぐそばだ。
支払いの用意をしようとメーターを見る。
と、スゴイことが起きていた!
メーターが恐ろしい勢いでまわっている。
くるくるくるくる。
まるでビデオの早回し。
3倍速でくるくるくるくる。
「ええええええ!」
私の目も、まわった。
メーターに細工をするタクシー詐欺はどこの国でもある話だが、遭遇するのは初めてだった。
きっと私が眠ってるあいだに何かしたんだろう。
渋滞に巻き込まれてほとんど動いていないのに、相変らずメーターばかりがフル回転。
そのあまりのスピードに、私は思わず笑いながら
「ありえへん!」
と叫んだ。
運転手も笑いかえして
「だって君は『メーターで』って言っただろう?
これがうちのメーターなんだよ」
詐欺はもちろん相手が悪いにきまってるけど、油断をしすぎたこちらにも非はある。
その場で降りてだいぶ交渉したけど、結局すごい額(千円くらい)を支払うことになってしまった。
教訓。
タクシーの中では絶対に眠ってはいけない!
あたりまえです。
旅の話を始めよう。
まずは関空からホーチミン・シティへ到着。
空港では大勢のタクシー待ち構えており、客引き合戦が展開される。
「町まで10ドルでどうだ」
「オレは8ドル」
「オレは6ドル」
なんだこれは?
競売か?
私はセリにかけられているのか?
外国人と見るとUSドルで値段を言われることも多いが、
私はほとんどドンで支払った。
だがこの「ドン」が、また困る。

・・・同じオジサンばっかりで困る。
しかも額が大きい。
100000ドンと10000ドンとか、ゼロがいっぱいで目がちかちかする。
さて、ホーチミンではバックパッカーの集うデタム通りに宿を決め、観光に出かけた。
戦争博物館。
統一会館。
ビンタイ市場。
1日かけて観光をした挙句、その日一番感心したものは、観光地よりも何よりも、バイクの数だった。
ひかれないで歩くにはどうすればいいのか分らない。
帰りはタクシーを使おうと思った。
タクシーと言えば、よく、こんな言葉を耳にする。
「白タクは危ない。
メーターのタクシーに乗るべきだ。
乗ったらちゃんとメーターが動いているか確かめること」
チョロンから乗ったタクシーはちゃんとしたタクシーだった。
メーターは普通に動いていた。
動いていた・・・のだが。
その日はだいぶ具合が悪く、タクシーに乗る前に薬をのんでいた。
お医者さんが処方箋を書きながら
「これは眠くなる薬だよ」
と言っていた薬だ。
私は恐ろしい睡魔に襲われて、つい眠りこんでしまった。
目が覚めるともう宿のすぐそばだ。
支払いの用意をしようとメーターを見る。
と、スゴイことが起きていた!
メーターが恐ろしい勢いでまわっている。
くるくるくるくる。
まるでビデオの早回し。
3倍速でくるくるくるくる。
「ええええええ!」
私の目も、まわった。
メーターに細工をするタクシー詐欺はどこの国でもある話だが、遭遇するのは初めてだった。
きっと私が眠ってるあいだに何かしたんだろう。
渋滞に巻き込まれてほとんど動いていないのに、相変らずメーターばかりがフル回転。
そのあまりのスピードに、私は思わず笑いながら
「ありえへん!」
と叫んだ。
運転手も笑いかえして
「だって君は『メーターで』って言っただろう?
これがうちのメーターなんだよ」
詐欺はもちろん相手が悪いにきまってるけど、油断をしすぎたこちらにも非はある。
その場で降りてだいぶ交渉したけど、結局すごい額(千円くらい)を支払うことになってしまった。
教訓。
タクシーの中では絶対に眠ってはいけない!
あたりまえです。

憧れのベトナム生春巻は残念な結果に終わったが、
1週間を通じて食べられなかったものはその春巻だけだった。
苦手な草はだいたい除けることができたし、
胃が治ってきたのかもしれない。
2日目からは何でもかんでも美味しかった。
とくに美味しかったのは、麺類だ。
どこに行っても麺屋があった。
いつでも誰かが麺を食べてた。
私もいっぱい麺を食べた。
いろんな種類の麺を食べた。
太い麺もあれば細い麺もあり、
市場で食堂のおばちゃんに捕まって食べたフォーもあれば
小奇麗なチェーン店のフォーも、
フエ名物の辛口麺、ブン・ボー・フエも食べた。

雨に降られて困っていたら、テント屋台のおばちゃんが
「あったまるよ!」
と言って出してくれた麺がある。
ちょっぴりピリ辛の春雨?の麺。
おいしかったなあ。

そして今回の旅で一番おいしかったのが、これ。

ホイアン名物「カオ・ラウ」だ。
麺の下には濃いめの汁が沈んでいる。
上にはくだいた煎餅が散らしてある。
それを混ぜながら食べると、からいつゆと麺と生野菜とのハーモニーにサクサク感まで加わって!
もう、たまらない!
止まらない!
あくる日ももう一度食べにいくハマりよう。
治りかけていた胃袋が、悲鳴をあげるほど食べました。
1週間を通じて食べられなかったものはその春巻だけだった。
苦手な草はだいたい除けることができたし、
胃が治ってきたのかもしれない。
2日目からは何でもかんでも美味しかった。
とくに美味しかったのは、麺類だ。
どこに行っても麺屋があった。
いつでも誰かが麺を食べてた。
私もいっぱい麺を食べた。
いろんな種類の麺を食べた。
太い麺もあれば細い麺もあり、
市場で食堂のおばちゃんに捕まって食べたフォーもあれば
小奇麗なチェーン店のフォーも、
フエ名物の辛口麺、ブン・ボー・フエも食べた。




雨に降られて困っていたら、テント屋台のおばちゃんが
「あったまるよ!」
と言って出してくれた麺がある。
ちょっぴりピリ辛の春雨?の麺。
おいしかったなあ。

そして今回の旅で一番おいしかったのが、これ。

ホイアン名物「カオ・ラウ」だ。
麺の下には濃いめの汁が沈んでいる。
上にはくだいた煎餅が散らしてある。
それを混ぜながら食べると、からいつゆと麺と生野菜とのハーモニーにサクサク感まで加わって!
もう、たまらない!
止まらない!
あくる日ももう一度食べにいくハマりよう。
治りかけていた胃袋が、悲鳴をあげるほど食べました。
去年すごく悲しいことがあった。
メソメソしているときに義弟が
「晩ごはん、まだでしょう?」
と食事に連れていってくれた。
ベトナム料理の店だった。
すごくおいしかった。
おいしいものは人を元気にする。
私がおいしいおいしいと連発するのを見て義弟は
「じゃあ今度はベトナムに行かないとね!」
と言って笑ったのだ。
それでベトナムへ行こうと思ったんだ。
しかし今回はひとつ問題が。
私はもともと胃腸が虚弱だが、近頃では本格的に胃をこわし、その上ひどい腸風邪までひいてしまった。
それでも航空券の予定は変えられないから、1週間ちかくまともなゴハンを食べられない状態のままベトナムへ強行することになったのだ。
口だけは元気で
「生春巻き食べるぞー!」
と気炎をあげながら。
○ 春巻チャレンジ
さあ、ベトナムだ。
さあ、春巻だ。
事前に「おいしい春巻の店」を知人からききだしている。
お店はすぐに見つかった。
高級ホテルがならぶ区域の、お洒落な店だった。
では!
念願の!
本場ベトナム生春巻!

私は言葉を失った。
香草、くさっ!
草くさすぎ!
私は香草が苦手なのだ。
パクチーとかぜんぜんダメ。
シソすらダメ。
「香草が嫌いなくせに、なぜベトナムなんだ?」
とは聞かないで。
それは
「方向音痴のくせに、なぜ旅が好きなんだ?」
ときくようなものだから。
ともかく最初から香草の国ベトナムの洗礼にあった私。
夢の春巻だから半分は食べねばと頑張ってみたが、
1本半食べた時点でもともと壊れていた胃袋がネをあげた。
もうだめ!
リミット!
Vomit~!
生春巻には完敗したので、後日、べつの店で揚春巻に挑戦した。

すっげー太さだな。
中身はミンチ・春雨。・エビといったところで、お味はというと要するに
・・・コロッケ?
いや、おいしかったですが。
メソメソしているときに義弟が
「晩ごはん、まだでしょう?」
と食事に連れていってくれた。
ベトナム料理の店だった。
すごくおいしかった。
おいしいものは人を元気にする。
私がおいしいおいしいと連発するのを見て義弟は
「じゃあ今度はベトナムに行かないとね!」
と言って笑ったのだ。
それでベトナムへ行こうと思ったんだ。
しかし今回はひとつ問題が。
私はもともと胃腸が虚弱だが、近頃では本格的に胃をこわし、その上ひどい腸風邪までひいてしまった。
それでも航空券の予定は変えられないから、1週間ちかくまともなゴハンを食べられない状態のままベトナムへ強行することになったのだ。
口だけは元気で
「生春巻き食べるぞー!」
と気炎をあげながら。
○ 春巻チャレンジ
さあ、ベトナムだ。
さあ、春巻だ。
事前に「おいしい春巻の店」を知人からききだしている。
お店はすぐに見つかった。
高級ホテルがならぶ区域の、お洒落な店だった。
では!
念願の!
本場ベトナム生春巻!

私は言葉を失った。
香草、くさっ!
草くさすぎ!
私は香草が苦手なのだ。
パクチーとかぜんぜんダメ。
シソすらダメ。
「香草が嫌いなくせに、なぜベトナムなんだ?」
とは聞かないで。
それは
「方向音痴のくせに、なぜ旅が好きなんだ?」
ときくようなものだから。
ともかく最初から香草の国ベトナムの洗礼にあった私。
夢の春巻だから半分は食べねばと頑張ってみたが、
1本半食べた時点でもともと壊れていた胃袋がネをあげた。
もうだめ!
リミット!
Vomit~!
生春巻には完敗したので、後日、べつの店で揚春巻に挑戦した。

すっげー太さだな。
中身はミンチ・春雨。・エビといったところで、お味はというと要するに
・・・コロッケ?
いや、おいしかったですが。